血行不良
血行不良とはその名の通り身体の血液循環が鈍り、滞る状態を言います。
東洋医学では血液の事を「血(けつ)」と呼び、西洋医学で解明されている単なる血液の役割だけでなく
身体全体に様々な栄養素を行き渡らせる役割も含まれており、骨、皮膚、筋肉、髪の毛、内臓器の修復も
この血が大きな役割を担っております。
漢方では血行不良により、体内に濁った血液や老廃物が留まった状態を「瘀血 おけつ」と言います。
この瘀血により下記のような身体トラブルが発生します。
頭痛・肩こり
不良姿勢やストレスにより頭部や首~肩にかけての筋肉が緊張、収縮し新鮮な血液が循環せずに老廃物が溜まり
特に夕方あたりから夜にかけて鈍痛や重い痛みが発生しがちです。
手足の冷え・のぼせ
新鮮な血液が全身均等に循環せず滞ったり、不足してたりして手足末端に届かない状態になり手足に冷えが生じますそれにより自律神経が乱れ上半身、下半身の血液分配の均衡に狂いが生じ、のぼせの症状が起きます。
貧血傾向
新たな血液を生産する能力に欠け身体全体に酸素、栄養素が不足した状態を言います。
特に立位の状態などでは頭部の方に血液が回らず、立っている状態が保てなくなる場合もあるので
重度の貧血傾向の方は要注意です。
生理痛・子宮筋腫などの婦人科系の症状
瘀血の生理痛の場合は腹痛が持続してしまうケースが多く、経血の色が暗赤色で固まりもが見受けられるのが特徴です。
この瘀血と子宮の冷えが重なった場合、子宮筋腫になる確率が高くなりますので夏場でも下半身の冷えには十分注意する必要があります。
お顔のシミ・くすみ・ニキビなどのお肌トラブル
古い血液が皮下組織に停滞している状態がシミ・くすみの症状になり、血行不良部位に炎症(邪熱)が発生している状態が
ニキビとなって現れます。先ずは洗顔をメインのお手入れをおすすめ致します。
上記傾向になる食生活として、肉中心、高カロリー、食品添加物の多い食事だと瘀血体質になりやすくなります。
玉ねぎ・ニンニク・ニラ・紫蘇・青背の魚を積極的に摂って下さい。
又身体と感情は密接な関係性があり、特にストレスから来る怒りを伴うイライラは、瘀血体質との関係が非常に深い為
自身の生活環境を見つめ直す必要があります。
血行不良を招く生活習慣三つの要因
〇運動不足
人間は身体を動かす事により、筋肉が動き全身に新鮮な血液を送り込み酸素や栄養素を身体の末端まで行かせ、循環させております。
血管内に血液が流れるという事は血管の内皮細胞が刺激され、活性化される為、血管自体が強くしなやかになります。
運動不足が続き筋肉が衰えると、筋肉低下により老廃物が排出されにくくなり、血管が委縮し更なる血行不良が継続します。
運動不足での血行不良による疾患として、動脈硬化、心臓病、高血圧などが挙げられます。
〇食生活の乱れ
規則正しい食生活により、十分なビタミン、ミネラル補給の見直しも大切ですが、食べる時間帯が毎日一定でなく乱れ過ぎてしまうと、体内時計に狂いが生じてしまい、胃腸に血液が回らなくなり機能低下が生じます。
又食生活の中で脂っぽい物や糖質の高い食事に偏ってしまうと、血液がドロドロになりやすくなり、血行不良に拍車がかかります。この脂肪や糖質過剰摂取が問題なのは、血管の内腔壁に傷が付き活性酸素が生じ、悪玉コレステロールと白血球が入り込み血管内に溜まり狭まり、血行不良が発生するからです。
〇ストレス
ストレスが原因で血行不良を起こす要因は自律神経との関係があります。自律神経には交感神経と副交感神経があり ストレスの影響で交感神経が過剰に働くと血管が収縮し、筋肉の硬直化が生じます。
この筋肉の硬直化が血行不良を起こし冷えの原因となります。
その働きにおいてとくに大事なのは、交感神経と副交感神経のバランスです。
たとえば交感神経は車でいえばアクセルのようなもので、交感神経の働きが一方的に優位になるとアドレナリンが過剰に作用します。その結果、血管が収縮して血流が悪くなり、頭痛、腰痛、高血圧、さらには脳梗塞や心筋梗塞を引き起こし腸管は弛緩しますから内臓の機能も低下して炎症もできやすくなります。また興奮や緊張が高まれば、怒りっぽくなったり、逆に血流の障害から倦怠感が出たりします。